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【完売】2022.9.17「KANGEKI 間隙」vol.20 井川耕一郎監督作品『ついのすみか』『鬼越のこと』

本イベントは予約にて完売となりました。


「KANGEKI 間隙」vol.20

■上映作品:『ついのすみか』(38分)、『鬼越のこと』(19分)
■開催日時:2022年9月17日(土)
16:45開場|17:00開映(18:30終了予定)
トーク:七里圭(映画監督)
■料金:1500円
■定員:25


■予約
イベント名、氏名、人数、参加日を記入し、kangekispace@gmail.comまでお知らせください。後日、担当・小原(オハラ)より確認の返信をさせていただき、予約完了となります。
※当日券はポレポレ東中野の窓口にて、朝の開館時間(9:40)より販売となります。
※予約で満席になれば当日券の販売もございません。
電話でのお問い合わせ:03-3227-1445(ポレポレ坐)


井川耕一郎さんと知り合ったのは早大シネマ研究会、彼はすでに卒業したOBでした。大学は出たけれど……という映画青年たちがようやくプロらしき仕事を始めた頃、その手伝いにかり出される後輩として親しくなったというか、不覚にも心酔してしまい。人生を踏み誤った、そんな因縁の存在とも言える先輩が、井川さんでした。20代に特に懇意にしていただき、それから30年以上。振り返れば、僕は彼とただ吞んでいただけで、何をしたわけでもなく。こんなに早く逝ってしまうとは、途方に暮れてしまいます。
7月にアテネフランセで開催された追悼上映会に続き、カナザワ映画祭でも追悼プログラムが組まれる陰で、勝手ながら、ささやかな哀悼を捧げたいと思います。 (七里圭)


『ついのすみか』(1986年/38分)デジタル上映


その映画を初めて観たのはシネ研の新入生勧誘上映会でした。「ひよめきから砂が入り込む。からだの中、砂だらけ、苦しい……」。なまめかしい女の顔と白い手、砂を吐くアサリ。冒頭から異様に張りつめたクローズアップが続き、寄り添う男と切れ切れのつぶやきが交わされる。映画なのに文学のような、呪文のような、詩のような、この観念、情念。大学に入ったばかりの私は、8㎜映写機の音がカタカタ響く大教室の片隅で、得体のしれない、初めて知る表現の世界に呆然としながらも、うっとりと魅了されたのでした。

 

『鬼越のこと』(1985年/19分)8mm上映


今回の上映のためにこの作品を、おそらく初見以来何十年ぶりかに見直した私は、あまりの愛らしさにのけ反ってしまいました。ここには、井川耕一郎という作家がその後に展開していく手法やモチーフの祖型が、そして成熟していく以前の純真が、ぎゅっと詰め込まれているような気がして。監督名を伏せて、坂口康子という女性の日記映画としたのは、恥じらいに潔癖だった彼特有の、照れ隠しと手の込んだ悪戯心だったのでしょう。ガリ版刷りの自作へのコメントも、ある女性の筆跡で、このように記しています。
「ジョナス・メカスの『リトアニアへの旅の追憶』や『LOST LOST LOST』を見たことあるんですけど、とにかく長くて退屈でした。でもカメラで遊んで撮っている、そのやりかたがとても好きで、ここちよい退屈さだったわけです。あとで映画のナレーションの訳を読むと、どちらにも、故郷リトアニアではないアメリカを故郷と錯覚して、幸福になるくだりがあって、何故かそこにとても感動したわけです」。

協力:井川淳子 北岡稔美 石川亮 大坪真理


【お客様へのガイドライン】
当イベントでは、新型コロナウィルス感染防止と共に、お客様に少しでも安心してご鑑賞していただけるための環境づくりに努めてまいります。
そのため、下記ガイドラインへのご理解・ご協力の程、よろしくお願いします。
・ご来場時にはマスクを着用して下さい。※マスクを着用していないお客様には受付にてマスクをご購入していただきます。
・入場口にアルコール消毒液を設置しておりますので、ご利用ください。
・咳や発熱、その他体調に不安のある方はご来場をお控え下さい。
・従業員や登壇者もマスクの着用を義務付けております。
・場内でのお食事はお控え下さい。お飲み物はご利用していただけますが、容器の問い扱い等、周囲のお客様には充分ご配慮下さい。(ドリンクはカフェでも注文できます)