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2021.8.1 【完売】「KANGEKI 間隙」Vol.13 haiena監督『LUGINSKY(ルギンスキー)』

本イベントは予約にて完売となりました。


「KANGEKI 間隙」Vol.13
■上映作品:『LUGINSKY(ルギンスキー)』(63分)
■開催日時:2021年8月1日(日)
18:00開場|18:30開映(20:00終了予定)
ゲストトーク:haiena(監督) × 上條葉月(字幕翻訳者・Pigeon Films主宰)
■料金:1300円
■定員:25


■予約
氏名、人数、参加日を記入し、kangekispace@gmail.comまでお知らせください。後日、担当・小原(オハラ)より確認の返信をさせていただき、予約完了となります。
※当日券はポレポレ東中野の窓口にて、朝の開館時間(9:40)より販売となります。
※予約で満席になれば当日券の販売もございません。
電話でのお問い合わせ:03-3227-1445(ポレポレ坐)


【『KANGEKI 間隙』上映に当たって】
J&HFilms の haiena と申します。今作『LUGINSKY』の監督ということにはなっていますが、手前どもは分業制のため、さっそく白状してしまうというのもあれですけれど、自分には監督としての立場めいたものはありません。当然として制作メンバーの統率などやれるものではない。名ばかりの監督とはいえど、制作に当たってはこれでもかと指示や提案、アイデアを出しました。しかし採用されるのは突飛なそればかりでして、いくら映画作りの常識的な仕方などを提示しても、沈黙で以て捨て置かれてしまう。斯様な経緯ゆえか、自分も次第におかしくなってしまいましてね、
「日和ったやり方が気に入らねえのなら、目茶苦茶にしてやるよ」というような自棄のやんぱちといいますか、
作品を拵えるというよりも、非常識な表現に挑戦をしていたというような様子でしょうか。畢竟として非常識を尽くすというのが今作の作風といいますか、テーマになっているのかいないのか。
こうして制作メンバーの所為なんですよ、という勝手な理屈などを並べてみましたが、実際のところ、彼らにとってはこちらが一等頭のおかしい人物だという見解があるようです。
彼らがこちらを一等頭のおかしい人物だとする所以として~ 手前の幼少時代は両親と名乗る夫婦からのリンチ、これに難儀するばかりでした。平均尋常の少年であれば、自身の境遇を憐れみ、愛情 の不足など思うやもしれない。こちらはそれらを考えたことがない。いずれ体格や腕力を得て、報復することより他に頭をやれなかった。
事実として、自身が十七になる頃、
夫婦はこちらに手出しをやれなくなった。つまりは真っ当な環境を知らずに少年時代を経てきたそれよりも、自らの性質、不幸に対する感受性を塗り潰してしまう積極的な怒りや執念の方がよっぽど健全ではなかったのやもしれません。暗鬱な話になってしまいましたが、こんなもんは深刻な体験でも何でもない。ひどく不幸や挫折を思い知ることになったのは学生時代の終わりから。こちらがタフガイを気取って何事にも動じない無神経人間のふりなどしたところで、 追っつかないほど馬鹿げた災難が次から次へと押し寄せました。
二度と映画を作らないという決心へ至った悪い成り行き、どうにも思うようにならない薄暗い音楽活動、小説家を志して無謀な創作に臨んだこと。何よりも就職氷河期の惨憺たる時代に遭い、月五百時間勤務に賞与なし、残業代なしという過酷の過ぎる労働の地獄を知り、自身という人間から自尊心がすっかり失せてしまった。斯くして、現在の卑屈で病的な嘘つき、悪態と妬み僻みの塊のような食えない中年男が仕上がったという次第です。こんな奴が拵えた映画ですので当たり前ですが調律された出来栄えになるはずもない。
それが『間隙』にお越し下さる皆様にとって面白がれるそれなのか、多分に不安などありますが、けして常識的な普段の映画体験を皆様にはさせないこと、これだけはお約束致します。
ひとつだけお願いしたいことがありまして、エンドロールが流れても席を立たずにそのままお待ち頂きたく宜しくお願い致します。(J&HFilms haiena)


『LUGINSKY(ルギンスキー)』

【あらすじ】
高等市民、平民という階級制度の敷かれた或る国家、 平民労働者の鹿男はオートバイ事故により慢性の幻視を負うことになる。
失業した鹿男はダンスホール『黄色い走馬灯』にて原料不明の密造酒を口にする。
密造酒の中毒となった鹿男は、恋人ムシェットと共に一層として現実架空の区別を失い、不条理な成り行きを幾度も往来することになる。

【作品概要】
フォトロマン形式を用いた数百枚からなるデスクトップアート、コラージュ画(静止画)で構成された比喩、暗喩を多用した映像。物語は共感やノスタルジー、ナルシシズム、普遍的情緒を取りのけた江戸弁調ハードボイルド文体の台詞語りによって進行する。 音楽はchillwaveを主として、IDM、エクスペリメンタル、ビッグビートなどのエレクトロニックミュージックを使用。

【監督プロフィール】
haiena:1977 年生まれ、東京都出身。音楽専門学校映像科に入学、 課題消化のため映画を作り始めた。卒業後、映画制作を志したが断念。 後、自然主義ポストモダニズム文学の創作に注力。 『酒瓶の渦』が第 46 回新潮社新人賞、新潮社新人賞、二千作以上の 応募作の内の五作品、最終候補作に選ばれるが受賞に至らず。 現在は chillwave 系トラックメイカーとして活動。自称アングラアー トグループ『J&HFilms』を結成。今作を同グループで制作した。

【スタッフ】
監督・原作・脚本・音楽・演出・出演:haiena|コラージュアニメーション・編集・演出:ジャン=ピエール・フジイ|フォトグラフ・撮影:夏色インコ|ドローイング・台詞テスト:あすてか|出演:大谷修久、水田真央、haiena(以上 声の出演)、 こぐちゆみ(ムシェットフォトモデル)|制作期間 18 カ月|カラー63 分|ぴあフィルムフェスティバル PFF アワード 2020 映画ファン賞受賞。2021 年香港国際映画祭、招待作品として正式出品、現地にて上映。http://www.hkiff.org.hk/film/detail/id/1078

【ゲストプロフィール】
上條葉月:字幕翻訳者。不定期に上映イベント Pigeon Films を主宰するほか、 国内にて紹介されていない映画に焦点をあてた zine 等を作っている。 イベント当日は『LUGINSKY』についてだけでなく、映画、音楽に 纏わるカルチャーについて haiena と対談して頂きます。


【お客様へのガイドライン】
当イベントでは、新型コロナウィルス感染防止と共に、お客様に少しでも安心してご鑑賞していただけるための環境づくりに努めてまいります。
そのため、下記ガイドラインへのご理解・ご協力の程、よろしくお願いします。
・ご来場時にはマスクを着用して下さい。※マスクを着用していないお客様には受付にてマスクをご購入していただきます。
・入場口にアルコール消毒液を設置しておりますので、ご利用ください。
・咳や発熱、その他体調に不安のある方はご来場をお控え下さい。
・従業員や登壇者もマスクの着用を義務付けております。
・場内でのお食事はお控え下さい。お飲み物はご利用していただけますが、容器の問い扱い等、周囲のお客様には充分ご配慮下さい。(ドリンクはカフェでも注文できます)