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ご来場の皆様
「KANGEKI 間隙」は最大客席数30席ほどの小規模な上映会ですが、新型コロナウィルスの感染拡大の状況下において、今回の参加を不安に思われている方もいると思います。そうした方は、どうかご無理はなさらないで下さい。
※キャンセル希望の方はメールでご連絡いただければ幸いですが、ご連絡いただかなくても当日こちらで対応させていただきます。
参加者の皆様には、咳エチケットや参加前の手洗いなどを心がけていただきますよう、お願い申し上げます。当日は、会場入口にアルコール消毒液の設置、お手拭きの配布、必要な方にはマスクも数枚ご用意しております。(数に限りがございます)
※風邪症状、発熱等、体調不良の方は、今回のご参加はご遠慮ください。
以上、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
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「KANGEKI 間隙」vol.6
萩野亮presents 波田野州平特集
■開催日時:2020年3月19日(木)18:40開場|19:00開映(20:40終了予定)
■ゲスト:波田野州平(映画作家)、萩野亮(映画批評、本屋ロカンタン店主)
■料金:1500円(※ポレポレ坐特製ワンドリンク付き)
■定員:30名
■予約:氏名、人数、参加日を記入し、kangekispace@gmail.comまでお知らせください。後日、担当・小原(オハラ)より確認の返信をさせていただき、予約完了となります。
※当日券はポレポレ東中野の窓口にて、朝の開館時間(9:40)より販売となります。
※予約で満席になれば当日券の販売もございません。
電話でのお問い合わせ:03-3227-1445(ポレポレ坐)
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「KANGEKI 間隙」を構想していた時から、主宰の僕がどなたかにプレゼンターをお願いする回も積極的に作りたいと考えていました。これも、小さな場所だからこそ身軽に実行できる上映の形であり、僕が信頼している方だからこそお願いできることです。そして、他者の価値観や視野を通して映画と出会っていくことは、自分の中でより広く、より多面的に映画を捉えていくための経験にもなっていきます。
Vol.6のプレゼンターは萩野亮さんです。萩野さんは映画批評、最近では本屋ロカンタンをオープンし、映画のトークイベントも行うなど、様々な形で映画と関わっています。今回は、萩野さんが絶賛する映画作家・波田野州平さんを「上映」という形で紹介してもらいます。(ポレポレ東中野 小原治)
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ドナルド・トランプが合衆国大統領に就任し、北朝鮮の金正恩と会談。イギリスはEU離脱を決定した。嘘のような出来事が、次々と起きている。
虚偽または不正確な情報=フェイク・ニュースこそが個々人の感情に訴えかけ、事実を置き去りにしたまま「歴史」を形成してゆく。そのような現今の世界情勢が、「ポスト・トゥルース」という語でもって呼び習わされてすでに久しい。私たちはそのような虚ろな時代を生きている。「メディア・リテラシー」という、すでに十分古めかしいことばは、再定義を余儀なくされている今日である。
映画作家・波田野州平さんを紹介する。フィールドワークを作品制作の基礎に置き、ドキュメンタリーとシネエッセイの境界領域にたゆたう波田野作品は、「事実 truth」に「虚構 fake」を巧みにおりまぜることによって、正面からはたどり着けない「歴史」、あるいは「プレ・トゥルース」とでも呼ぶべき層へと沈潜し、たしかな手触りを映像に刻みつけて私たちに提示する。
そこで語られているのは、はたしてほんとうのことだろうか。
嘘のようなできごとがほんとうになる危機 crisis の時代に、波田野州平の作品はきわめて批評的 critical な鏡として、差し出されている。(萩野亮)
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上映作品
『内部』(2014-2019)21min
『影の由来』(2017)27min
『旅のあとの記録』(2018)16min
波田野州平
映画作家。1980年鳥取県に生まれる。2003年多摩美術大学卒業。現在東京都在住。2012年、初長編映画『TRAIL』が劇場公開される。2018年、『影の由来』が第一回東京ドキュメンタリー映画祭で短編グランプリを受賞。辺境を訪れて現地調査を行い、フィクションとドキュメンタリーが渾然となった手法で作品を制作。また、遺棄された写真や手紙など、個人的な記憶から集合的記憶を導き出す作品を制作。
萩野亮
映画批評・文筆業。1982年生まれ。編著に『ソーシャル・ドキュメンタリー 現代日本を記録する映像たち』(フィルムアート社)、分担執筆に『日常と不在を見つめて ドキュメンタリー映画作家 佐藤真の哲学』(里山社)、『アジア映画で〈世界〉を見る 越境する映画、グローバルな文化』(作品社)など。本屋ロカンタン店主。https://www.roquentin.tokyo/