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2009.10.30 徹の部屋Vol.4 ライブペインティングの宴

徹の部屋Vol.4 ライブペインティングの宴
齋藤徹(音)×小林裕児(画)

■日時:2009年10月30日(金) 18:30open/19:00〜
■料金:一般前売 2,500円/当日3,000円+ワンオーダー
    学生前売2,200円/当日2,700円+ワンオーダー
■予約:03-3227-1405(ポレポレタイムス社)
       event@polepoletimes.jp

■主催:Space&Cafeポレポレ坐、
    グループ<橋>(齋藤徹、小林裕児、斎藤朋)

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小林裕児(こばやしゆうじ)
東京芸術大学油絵科、同大学院修士課程修了。
84年春陽展新人賞、87年第64回春陽展賞受賞、
89年、ベルリンの壁崩壊の年、それまでの精緻な技法の作風を捨て、
古樹やアジア原産の素材に直接ドローイングするような
大胆でプリミティブな手法に転換。
96年第39回安井賞受賞。画家としての評価を不動のものとする。
齋藤徹とは、ジャン・サスポータス、岩下徹、ミッシェル・ドネダ、
上村なおか、バール・フィリップスらをゲストにして、
ギャラリー椿・NHKBS放送・東急文化村・岡本太郎美術館
中ノ沢美術館・ツアーで山口・広島・京都・山形・岩手などで共演を重ねている。
2008年、巨大な絵「朱い場所」を題材にして作曲された齋藤の同名CDも好評。
http://www.yuji-kobayashi.com/home.html
齋藤徹(さいとうてつ)
舞踊・演劇・美術・映像・詩・書・邦楽・雅楽・能楽・西洋クラシック音楽・現代音楽・タンゴ・ジャズ・ヨーロッパ即興・韓国の文化・アジアのシャーマニズム様々なジャンルと積極的に交流。ヨーロッパ、アジア、南北アメリカで演奏・CD制作。コントラバスの国際フェスティバルにも数多く参加。新たなコントラバス音楽のための作曲・演奏・ワークショップを行う。自主レーベルTravessia主宰。 http://web.mac.com/travessia115

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20年前に画風が大きく変わったのはなんでだろう、に関するまったく勝手な推察
(齋藤徹)
絵の中で生き物も物も神様もとても美しく歌っていた。
「こんなに美しい歌って本当に私の歌かしら?」
ユージさんがビール2杯でご機嫌になって早々と寝てしまったあと、
絵の中の生き物たち・物たち・神様たちが話合っていた。
一番美しい瞬間をユージさんが固定してしまうので、本人達も戸惑っていたのだ。
「この姿勢って疲れるんだよね、もっとだらしない方が楽なんだけどな?」
「そうそう、逆立ちとか、時にはいいよね」「必要だよ」
「手なんか4本くらいがちょうど良い」「眼もね」
「きったない声で歌うとホントは気持ちいいんだよね」
「そうそう、スーッとするのよね」・・・・・
トイレに起きたユージさんは偶然それを聞いてしまった。
いや、夢の中だったかも?
輪郭を無くしてフワーッ、焦点を合わさずにボーッ、
重力を無視してキーン、常識を無くしてドッカン、
意味を無くしてラリラリラ? 1年に2枚くらいしか描けなかったのが、
1日10枚も描くようになったんだって。
意味や言葉に取られてしまう前に戻せば良いんだ、
ユージさんはそう思った。
それ以来、ユージさんはいつも微笑んでいる。
眼は薄く開いているけれど決して閉じない。半眼微笑。
そうしているといろいろな生き物や物や神様や
「もののけ」までもが相談に来るそうだ。
「こんど、私を描いてくださいな、本当の自分の姿を知りたいのです。
ふだんとは違う気がしてなりません。どうかお願いします」と
「よーし、わかった。でもビックリするなよ」。
今度は、ユージさんが絵の中の生き物たち・物たち・
神様たち・もののけたちを挑発する。 
ヒトの身体には「物まね神経細胞」(ミラーニューロン)がたくさんあって、
ある動作を見ると、その動作と同じ動きをする自分の細胞も動いているらしい。
ユージさんが楽しそうに描いているのを半眼微笑で見ると、
私の身体の細胞も描くように動いている。
私の演奏をユージさんがチラッと観ると、ユージさんの演奏が始まっている。
そうか、そうならば、今日お集まりの皆様は、
私たちを観て、自ら描き・演奏するばかりでなく、
ユージさんに描かせ・テツに演奏させることもできるわけですね。
さらには、ユージさんに演奏させ、テツに描かせることも。
ああ、おもしろい今宵の宴!