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2021.6.26【完売】「KANGEKI 間隙」vol.12 多持大輔監督『冬のほつれまで』

本イベントは予約にて完売となりました。


「KANGEKI 間隙」vol.12

多持大輔監督『冬のほつれまで』を初めて観たのはPFF2020の予備審査でした。主人公の根本育実の名前がタイトルでもぐっとくるほどに、彼女の描き方が抜群でした。でも、この映画を観た日から時間がしばらく経ってからも振り返る度に陽だまりのような温かさが心に灯るのは、冬のほつれまでというタイトルとも無縁ではない気がしています。
その年のPFFアワードに選出され、第31回東京学生映画祭ではグランプリにも選ばれた本作は、観た人の中に豊かな情感を残していく作品として、いつかKANGEKIでも上映したいと思っていました。
今回はスペシャルゲストに東京学生映画祭で最終審査員を務めた映画監督の大九明子さんをお迎えし、この映画の魅力についてみんなでじっくり話したいと思います。ぜひお越し下さい!
(ポレポレ東中野 小原治)


僕は映画『冬のほつれまで』を作る上で、やりたくないことがたくさんありました。登場人物に多くを語らせたくない、劇的な事は起こしたくない、カメラは極力動かしたくない、音楽は使いたくない、など。やりたくないことを排除した結果、ヘンテコな映画が生まれました。
今作の主人公「根本育実」は誰とも喋りません。ですがスケッチブックに絵を描いたり、マシュマロを校庭の木の下で食べたり、帰りにお気に入りの喫茶店でクリームソーダを飲んだりと、行動はとても豊かです。また対照に、彼女の周りにいる登場人物たちはとりとめのない会話をずっとしています。帰りにファミレス行こうとか、正月暇だからなにしようとか、なんてことないばかりです。
毎日の暮らしは小さな積み重ねに過ぎず、そこでは劇的な何かが起こるわけでもなく、いつか知らぬ間に忘れてしまう出来事ばかりかもしれません。ですが僕はそんな目の前に起こる事実こそ淡々と描きたいと思いました。そこにこそ大事な何かがあるような気がします。それをこぼさずに掬い上げることができたら、それだけで幸せなことではないでしょうか。
今回ゲストで来てくださる大九明子監督は、昨年の東京学生映画祭の審査で「この作品のファンである」と直接言っていただき、衝撃を受けたことを今でも覚えています。こんなヘンテコな映画でも、ちゃんと届いたんだと、心が熱くなりました。大九監督と再びお話できること、とても楽しみです。
今回の上映会がみなさんにとって、日常の些細な何かを見つけるためのきっかけになれたら嬉しいです。
(『冬のほつれまで』監督 多持大輔)


「KANGEKI 間隙」vol.12
■上映作品:『冬のほつれまで』(67分)
■開催日時:2021年6月26日(土)
18:00開場|18:30開映(20:10終了予定)
ゲストトーク:多持大輔(監督) × 大九明子(映画監督) × 小原治(KANGEKI主宰・ポレポレ東中野スタッフ)
■料金:1300円

本イベントは予約にて完売となりました。
■定員:25

■予約
氏名、人数、参加日を記入し、kangekispace@gmail.comまでお知らせください。後日、担当・小原(オハラ)より確認の返信をさせていただき、予約完了となります。
※当日券はポレポレ東中野の窓口にて、朝の開館時間(9:40)より販売となります。
※予約で満席になれば当日券の販売もございません。
電話でのお問い合わせ:03-3227-1445(ポレポレ坐)


『冬のほつれまで』
2020年|67分|日本

【あらすじ】
高校2年生の根本育実。彼女の趣味は観察をすること。1番早く高校に行き誰もいない教室のベランダで植物の水やりをする。授業中の出来事や放課後に立ち寄る珈琲店の客の言動に目を凝らし、観察の中で芽生えた絵をスケッチブックに描いて残す。そんな彼女の行動に興味を示すクラスメイト・立花ほのかは育実との交流を試みようとする。

【キャスト】
青根智紗、北崎杏佳、近藤奈保希、廣瀬優里、鶴田雄大、細川慶太、星 達也、中尾みち雄、波子、ツボさん、竹内亜蘭、島野道春、埼玉県立松山高等学校映像制作部の皆さん

【スタッフ】
監督・脚本・編集:多持大輔|撮影:井坂雄哉 藤田恵実 吉川啓太|照明:三好美鈴 染谷夏海|録音:飯島花衣 遠藤涼菜 水野珠美 江沅庭|衣装:大越味来|小道具:佐々木菜津子|車両:大崎千野 小野岳 竹内亜蘭 保坂尚輝|ロケーションコーディネート:島野道春

【監督プロフィール】
多持大輔 / Daisuke TAMOCHI
1995年生まれ、茨城県出身。小学生の頃、兄とホームビデオで遊んだことから映像に興味を持つ。武蔵野美術大学映像学科入学後、初めて映画を監督。同大学院に進学し、自身の制作に身を入れる。現在はフリーランスの映像作家として活動。2020年 初長編作品『冬のほつれまで』が第31回東京学生映画祭コンペティション部門グランプリを受賞。PFFアワード2020入選。

【ゲストプロフィール】
大九明子 / Ohku Akiko
横浜市出身。『恋するマドリ』(07)、『でーれーガールズ』(15)などを手掛け、17年に監督、脚本を務めた『勝手にふるえてろ』で、第30回東京国際映画祭コンペティション部門・観客賞をはじめ数々の映画賞を受賞。『私をくいとめて』(20)が第33回東京国際映画祭・TOKYOプレミア2020にて史上初2度目の観客賞、第30回日本映画批評家大賞・監督賞を受賞。


【お客様へのガイドライン】
当イベントでは、新型コロナウィルス感染防止と共に、お客様に少しでも安心してご鑑賞していただけるための環境づくりに努めてまいります。
そのため、下記ガイドラインへのご理解・ご協力の程、よろしくお願いします。
・ご来場時にはマスクを着用して下さい。※マスクを着用していないお客様には受付にてマスクをご購入していただきます。
・入場口にアルコール消毒液を設置しておりますので、ご利用ください。
・咳や発熱、その他体調に不安のある方はご来場をお控え下さい。
・従業員や登壇者もマスクの着用を義務付けております。
・場内でのお食事はお控え下さい。お飲み物はご利用していただけますが、容器の問い扱い等、周囲のお客様には充分ご配慮下さい。(ドリンクはカフェでも注文できます)