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2019.8.2 アーサー・ビナード 新作紙芝居『ちっちゃい こえ』上演+トーク

アーサー・ビナード 新作紙芝居『ちっちゃい こえ』上演+トーク
美術:金兵直幸

ポレポレ坐とも縁の深い丸木位里、丸木俊が描いた「原爆の図」をもとにした新作紙芝居『ちっちゃい こえ』。ビナードさんによる実演と、製作にまつわるお話をうかがう一夜。是非お出かけください。

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どんな生き物でも、体の中にはちっちゃい声をかかえていて
ひたすらいのちをつくりつづける。
ヒロシマの生き物たちには何がふりかかったのか?
わたしたちはどうすれば生きていけるのか?
美しい絵から、ひびいてくるそのこたえに
ひとりひとり、耳をすます紙芝居。

紙芝居『ちっちゃい こえ』(童心社)
当日会場でも販売予定です。
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■日時:2019年8月2日(金)18:30開場/19:00開演
■料金:予約 2,500円/当日 3,000円 (ワンドリンク付)
■申込:Tel:03-3227-1445(ポレポレ坐)
Email:polepoleza@co.email.ne.jp

▼『ちっちゃい こえ』紹介リーフレット(童心社)より
ぼくの紙芝居の初体験は遅い。23歳になってからだ 。来日して、近所の池袋図書館の児童書コーナーに入り浸って絵本を読んでいた。スタッフと親しくなって、ある日「おはなしたんぽ ぽ」という催しに参加させてもらえた。テーブルの上に木の箱が置かれ、不思議に思ったら扉が開き、舞台に変身した。昔話の世界にぼくは吸いこまれて夢中になった。
どこにでもありそうな紙芝居。でもアメリカにはなく、出合わずに育ったぼくは、無謀なことを考え始めた。「いつか作ってみたい  」
何年もたって、やっと紙芝居の創作にとりくんだときも 、ぼくはまた無謀なことを考えてい た 。丸木俊さんと丸木位里さんが作りあげた大連作「 原爆の図」をもとにして、絵を切りとっ てストーリーをつむいでみようと  。
「原爆の図」の前に立つと、だれでもどんどんまきこまれて、追体験することになる。丸木夫妻 は遠くから眺めるのではなく、ピカにさらされた生き物に寄りそって描き出している。
美術作品としてのその力学が、まさに紙芝居と共通していると、ぼくは思った 。観客たちをまきこむ装置として、「原爆の図」も、紙芝居もはたらくのだ。
それから7 年間、どこにでもありそうで、どこにもない紙芝居をさがし、ピカの体験者に耳をかたむけつづけた。いのちの源であるサイボウにも耳をすまして、『ちっちゃい こえ』 が形になった。さあ、これからひとりひとりの中の声と、どのようにひびき合って広がるのか。

アーサー・ビナード

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▼プロフィール
アーサー・ビナード
詩人。1967年、米国ミシガン州生まれ。ニューヨーク州の大学で英米文学を学び、 卒業と同時に来日、日本語での創作を始める。『ここが家だ  ベン・シャーンの第五福竜丸 』 (集英社)で 日本絵本賞、『さがしています』(童心社) で講談社出版文化賞絵本賞、広島文化賞受賞。

金兵直幸(美術)
彫刻家。1966年、北海道生まれ。KOBATAKE KOBOで彫刻を学び、修了。91年より国内外で個展。2002〜2011年、摩周湖の麓で Un Plugged な暮らし。2006年、地球を彫刻する。( 手で6mの井戸を掘る。)2019年、紙芝居舞台「ドーム」制作。
(ポレポレ坐では8月2日〜5日金兵直幸ミニ作品展を開催します。)