メニュー 閉じる

2010.4.16 南インド・ケーララの芸能を訪ねて

写真とビデオとトークによる「南インド・ケーララの芸能を訪ねて、」
報告者: 斎藤 朋(アートプロデューサー)
ゲスト:入野智江(南インド古典劇演者、音楽家)
■日時:2010年4月16日(金) 18:30開場/19:30開演
■料金:予約1,500円/当日1,700円+ワンオーダー
■予約・問合わせ:マルメロ Tel : 03-5627-7583 Fax : 03-5627-7584
          E-mail : marmeloyama@gmail.com
■協力:アビナヤラボ、JMLセミナー入野義朗音楽研究所、バリ芸能研究会、
    (財)現代人形劇センター ほか

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
1月にインドの最南端・ケーララ州に出かけてきました。
ケーララとは”椰子の国”という意味。アラビア海に面した 
熱帯雨林の気候で、椰子の木、バナナが生い茂り、運河は流れ、
南国情緒たっぷり、独特の気配が充満する森の国です。
海と山に挟まれた風土ゆえ、古代からの劇、舞踊の伝統が連綿とつづき、
芸能の宝庫と呼ばれてきました。
今回旅した目的は、ユネスコ無形文化遺産にも指定され、
5年前から仲間たちと日本に招聘している、世界最古の伝統をもつ
サンスクリット舞踊劇《クーリヤッタム》のフェスティバル。
灯明の前で、2千年のあいだ演じられてきた舞踊劇は、
仮面のような隈取りメイクと超絶技巧の目と顔の動き、
手話の演技がときに言葉以上に雄弁。また声明のような朗唱、踊り、
壺形太鼓のはげしい伴奏と一体となって演じる古代叙事詩が、
時を忘れるほどに心を惹き付ける。
それは原初の荒ぶる精神の昂まりと同時に、神の庭元に召き寄せられたかのような
何とも平穏でやすらかさを感じた時空間でした。
神々や祖霊など、目に見えないものを感じ現す力。
その宇宙的な想像力と大地的な技芸は、日本の神楽や能楽、歌舞伎、
アジア各地の舞踊、演劇の原点と目されています。
今回は他にも、より歌舞伎的な《カタカリ》、
女性の伝統舞踊《モヒニヤッタム》、呪術的祭祀《テイヤム》、
打楽器アンサンブル等の上演、奉納も目の当たりにすることができました。
近年、IT関係をはじめ、世界最先端の分野が注目を集める現代インドですが、
数千年来の伝統が今なお力強い生命力で魂にはたらきかけてくるのはなぜか?
念じれば山をも動かすような魔力と驚きに満ちた、
じつに豊穣な南インドの世界を、芸能を中心にその背景、環境、養成所、
食などとあわせ、写真、ビデオ、話で紹介します(付録:経由地・ドバイの今)。
 チャイでも飲みながら、ケーララの深くて、心躍る”芸能の森”を
ゆっくりとお愉しみください。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
斎藤 朋
フリーライターをへて、パフォーミングアーツの制作を始める。アートキャンプ白州(2001〜2007年ダンス白州事務局長)、舞踊資源研究所で舞塾/桃花村、田中泯公演、ライブスペース plan B、(有)デックスで制作、運営。2008年からフリーに。南インドの舞踊劇クーリヤッタム、幻のバリ舞踊とガムラン「ジョゲッ・ピンギタン」(制作協力)、「音の果実」コンサート、小林裕児(絵画)×齋藤徹(コントラバス)の<橋>プロジェクト、ケイタケイLIGHTシリーズのダンスはじめ、舞踊、音楽、美術、パフォーマンス、芸能など、幅広い表現にたずさわり企画・制作。1988〜99年には、韓国からトルコまで毎年アジアを西へ旅し、文化の流れを追った。この夏、JMLセミナー、入野智江氏らと、ケーララからモヒニヤッタムの舞踊少女たちとグルを招く予定。
KURIYATTAM3.png