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2019.5.22-6.9 企画展「上野英信の坑口」

企画展「上野英信の坑口」

『追われゆく坑夫たち』(岩波新書)で知られる記録文学作家の上野英信(1923〜1987)は、かつて文明の象徴であった炭鉱がエネルギーの転換によって消えゆくなか、筑豊の中小炭鉱で働く坑夫やその家族たちと生涯の歩みを共にしながら、彼らの声を記し、人びとに届けました。
本展は、2017年に開催された福岡市文学館企画展「上野英信 闇の声をきざむ」の協力を得て実現したものです。本会場では氏の著作物に中心に、「筑豊文庫」から始まった記録者たちも合わせてご紹介します。
また、上野英信が敬愛して止まなかった、炭坑で働き、炭坑を描いた画家・山本作兵衛の作品を主軸に据えたドキュメンタリー映画『作兵衛さんと日本を掘る』(熊谷博子監督)がポレポレ東中野にて劇場公開され、本展と合わせてご鑑賞いただけます。
今日に続くエネルギー問題とそれに翻弄される人びとの声とその足跡を再び見つめる場となれば幸いです。

▼上野英信(1923-1987)
記録文学作家
山口県生まれ。兵役中に広島で被爆。京都大学文学部中国文学科中退。九州で炭鉱労働者となり、海老津炭鉱、高松炭鉱、崎戸炭鉱などで働く。1958年、谷川雁、森崎和江らと文学運動誌『サークル村』を刊行。石炭と筑豊にかかわるすぐれた記録文学(ルポルタージュ)を書き続けた。
1964年、福岡県鞍手町の廃炭住に住居兼資料館の「筑豊文庫」を開設。筑豊を訪れる記者や文化人、学生など、様々な人が集う拠点となった。
主な著作に『追われゆく坑夫たち』『地の底の笑い話』(ともに岩波書店)『骨を噛む』(大和書房)『出ニッポン記』(潮出版社)『眉屋私記』(潮出版)などがある。

■展覧会情報
会期:5月22日(水) ~ 6月9日(日) ※6月4日(火) 休
会場:Space&Cafe ポレポレ坐
   (東京都中野区東中野4-4-1~1F)
時間:11:30~21:00
   ※イベント開催、映画上映中はご覧いただけません。
料金:入場無料 ※ただし、会場がカフェ店内のためメニュー
   のご注文をお願いします。(テイクアウト提供も可能)

▼会期中イベント

●トーク 鎌田慧(ルポライター)×上野朱(古書店主)×本橋成一(写真家・映画監督)
日時:5月24日(金) 18:30開場/19:00開始
料金:予約 2,000円 当日2,500円(ワンドリンク付)
予約:Tel 03-3227-1445 E-mail polepoleza@co.email.ne.jp

●トーク 三木健(ジャーナリスト)×上野朱(古書店主)
日時:5月25日(土) 18:30開場/19:00開始
料金:予約 2,000円 当日2,500円(ワンドリンク付)
予約:Tel 03-3227-1445 E-mail polepoleza@co.email.ne.jp

●『作兵衛さんと日本を掘る』公開記念
 黒田京子&喜多直毅ライブ
日時:6月4日(火) 18:30開場/19:00開始
料金:予約 2,500円 当日3,000円(ワンドリンク付)
予約:Tel 03-3227-1445 E-mail polepoleza@co.email.ne.jp

●映画上映料金:1.000円均一(当日券のみ)

『三池 終わらない炭鉱の物語』監督:熊谷博子
上映日:5月27日(月)、5月31日(金)、6月7日(金) いずれも19時〜
最盛期は全国の石炭の四分の一を掘り出していたといわれる三池炭鉱で、過酷な労働を引き受けてきた人々の証言を聞き続け、7年がかりで製作されたドキュメンタリー。(2005年/103分)

『炭鉱(ヤマ)に生きる』監督:萩原吉弘
上映日:5月30日(木)、6月5日(水) いずれも19時〜
人生の大半を炭鉱で過ごした山本作兵衛による炭鉱画、炭鉱で働く人々のインタビューを通して、炭鉱社会ならではの深い相互扶助の精神に迫るドキュメンタリー。 (2004年/70分)

『まぶいぐみ~ニューカレドニア引き裂かれた移民史~』監督:本郷義明
上映日:5月29日(水)、6月3日(月) いずれも19時〜
南太平洋の仏領ニューカレドニア。太平洋戦争で日本人移民が拘束・追放され、現地の家族と子孫が切り離された。戦後60年を経て、当事者の証言を集め、埋もれた歴史を掘り起こす。(2017年/110分)

『はじけ鳳仙花ーわが筑豊 わが朝鮮』監督:土本典昭
上映日:5月28日(火)、6月6日(木) いずれも19時〜
筑豊炭田の風景や労働者の姿を描き続けてきた画家・富山妙子。映画は富山による詩、画、劇中劇などを中心に構成され、ジャンルを超えた新鮮な表現として結実している。(1984年/48分)