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【完売】2022.2.18 「KANGEKI 間隙」vol.18 杉田協士監督『くじけないで手紙を書いた』

本イベントは予約にて完売となりました。


「KANGEKI 間隙」vol.18 杉田協士監督『くじけないで手紙を書いた』

■上映作品:『くじけないで手紙を書いた』(35分)
■開催日時:2022年2月18日(金)
18:00開場|18:30開映(19:45終了予定)
トーク:杉田協士(映画監督)×枡野浩一(歌人)
■料金:1200円
■定員:25


■予約
氏名、人数、参加日を記入し、kangekispace@gmail.comまでお知らせください。担当・小原(オハラ)より確認の返信をさせていただき、予約完了となります。
※当日券はポレポレ東中野の窓口にて、朝の開館時間(9:40)より販売となります。
※予約で満席になれば当日券の販売もございません。
電話でのお問い合わせ:03-3227-1445(ポレポレ坐)


杉田協士tumblr 『くじけないで手紙を書いた』
こちらお読みください→ https://tmblr.co/ZUlI5TbThJLZSa01

『くじけないで手紙を書いた』
(35分/HDV/カラー/16:9/2011/日本)
監督:杉田協士/撮影:飯岡幸子/音響:黄永昌
出演:枡野浩一、おかざき真里、金子岳憲、岩井秀人、原麻理子、他

刷り上がったばかりの新作詩集『くじけな』を友人知人に届けにいく、歌人・枡野浩一の一日。


素晴らしい映画を観ました。杉田協士監督『くじけないで手紙を書いた』という35分の映画です。

主人公は歌人の枡野浩一さん。枡野さんのいつものような一日が街の風景と共に記録されています。
歯をみがき、部屋をでて、ポストをのぞく。公園で本をひらき、緑葉が風にゆれ、歌がかさなる…日々のなかでは自然と流れているような時間も映画のワンシーンとして眼の前に現れると、自然とは別のフレッシュさがはじけ、魅せられました。
そして、最後に小さく“2011”とクレジットが出て映画は終わります。

2011年に起きた東日本大震災。この未曽有の出来事に対して、映画はこれからどう向き合えばいいのか。震災をテーマにした作品の数だけ葛藤があり、状況があり、判断がありました。
渦中にいた杉田監督は、震災が起きて2ヵ月が過ぎた吉祥寺の街にカメラを置き、そこにある風景を映すことを選びました。
『くじけないで手紙を書いた』のこうした背景については、杉田さんとメールのやりとりをするなかで知りました。それを知らずに観ていたら、僕はこの映画に “震災”を想起しただろうか…そんな気持ちが風景ににじむ記録映画としても、大変感銘を受けたのです。
そのメールには「『春原さんのうた』と連なる作品」とも添えられていました。
これまで限られた機会でしか上映されていない本作をいま、観客に観てほしいと強く思いました。

この文章を書きながら、映画の中で枡野さんがポストをのぞくシーンを思い出していました。誰かの便りを受け取るのは、この映画なのかもしれない。そこに届けられるのは、この映画をいま観ている誰かのまなざしなのかもしれない。
2022年に観る『くじけないで手紙を書いた』は、2011年との間に言葉を交わしたくなる作品です。(KANGEKI主宰 小原治)