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2019.5.11 徹と徹の部屋vol.4 (徹の部屋vol.46)

徹と徹の部屋vol.4 (徹の部屋vol.46)

■日時:2019年5月11日(土)18:30 open / 19:00 start
■出演:岩下徹(舞踊家)、齋藤徹(コントラバス演奏・作曲)
■料金:予約2,500円、当日3,000円(ワンドリンク付)
■予約 電話:03-3227-1445 Mail:polepoleza@co.email.ne.jp

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岩下徹です。

昨年12・15(土)徹と徹の部屋vol.3 (徹の部屋vol.45)@ポレポレ坐、またしても極めて得難い機会を頂き、心より感謝申し上げます。

あのスペースにて三度踊らせて頂きましたが、その都度60分前後の時間を能う限り生き抜こうと努めました。
私に出来ることは、せいぜいそのことだけだからです。
もしこのことを御座成りにしたのなら、即興で踊る私は終わって仕舞います。
30余年に亘り踊り続けておりますが、何時まで経っても愚直そのものの体たらくでおりますことを、お恥ずかしい限りに存じます。
が、他にやりようが有ったならば、既にやっていたでしょう。
また、加齢による諸能力の低下を隠し果せる術も全く持ち合わせておりません。
然し、そんなちっぽけな個人的な事情など一切お構いなく、あの場は自己を創出したと思われます。
ああしなくちゃ、こうしなくちゃ、などという思考が殆ど働かなくなっていたせいかも知れません。
果たせる哉、私の勝手な拘りなぞ、最早どうでも良くなっておりました。
矢張り、今回も私の意の儘になることは殆んど無かったのです。
否、そのように小さな個人の意志を軽々と超え出て、意図しないところに図らずも立ち現れる大いなるもの。

「踊りだってそうですよ。あらわれてくるもの、押し出されてくるものが重要なんであってね・・・」(土方巽)

そこには、自-他を超えた共-同の場、非人称的な地平のようなもの、が開かれようとしていると感じました。
これこそ、私が最も求めているものです。

如何にして、「私は私」というような果てしない同語反復から逃れられるか?
如何にして、矮小な自我(エゴ)の壁を超えられるか?
私が10代の頃から問い続けている問いですが、還暦を過ぎても尚、未だ正解のない問い掛けの途上に在ります。
これはもう、成るようにしか成らないでしょう。

成るようにしか成らないということは、即興に於いても同じです。
即興と人生は何処かで通じている、と考えられます。
誰しも、独りで生まれ独りで死にます。
何人たりとも、このことから逃れることは出来ません。
その孤独”solitude”の深い闇が有る故に、私達は連帯”solidarity”を求めるのでしょうか・・・?
だからこそ、先日のような即興セッション公演を、文字通り公(おおやけ)にする意義が有るのかも知れません。

テツさんは今回、バッハ無伴奏チェロ組曲第5番を演奏されたと伺っております。それは、或る時は‘バッハ’の語源であると聞く「小川」のせせらぎになり、また或る時は激流と化し、そしてまた或る時は伏流となって、驚くほど自在に生成変化しました。
就中、まるで2、3粒の水滴のような音。
その音と音の間の静寂が、張り裂けんばかりの力で漲りました。
こんな演奏は、未だ嘗て聴いたことがない!

そうです!テツさんの演奏は病を得られる前よりも後の方が、よりその強度と透明度が高まっているということ、を改めてこの身に強く刻み込まれた次第です。
病気や怪我、障碍等が、その人の表現を必ずしも貧しくして仕舞うのでなく、むしろその一切合財を背負うことによって、反ってその人の表現が豊かなものに成り得るということ、をよりハッキリと目の当たりに致しました。
このことは、必ずや多くの方々にとりましても大きな≪希望≫となることでしょう。

一寸先は闇、これは誰にとっても同じことです。
では、<ここ・いま>をどう生きるか・・・?
即興では、そのことがいつも常に絶えず真っ直ぐ問われているのです。
全く誤魔化しようが有りません。
次回5・11(土)も、その問い掛けが更に新たなものとなるでしょう。
どうか、私ども齋藤徹・岩下徹の 徹と徹の部屋vol.4 (徹の部屋vol.46)にお立ち会い頂きますように。

岩下徹

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岩下徹(舞踊家)http://www.iwashitatoru.com/
国際的な舞踏集団<山海塾>ダンサー。
ソロ活動では<交感(コミュニケーション)としての即興ダンス>の可能性を追求。
1957年東京生まれ。82~85年石井満隆ダンスワークショップで即興を学び、
83年ソロ活動開始。かつて精神的危機から自分のからだを
再確認することで立ち直ったという経験を原点とするソロダンスは、
等身大のからだひとつで立つことから始まり、
場との交感から生まれる即興として踊られる。
代表作に、「放下」、「みみをすます」、音楽家との即興セッション等。
1989年より滋賀県/湖南病院(精神科)で医療の専門スタッフと
共にダンスセラピーの試みを継続実施中。日本ダンスセラピー協会顧問。
桜美林大学、滋賀県立総合保健専門学校非常勤講師。

齋藤徹(コントラバス演奏・作曲)http://travessiart.com
ダンス、舞踏、演劇、美術、映像、詩、書、邦楽、雅楽、能楽、
西洋クラシック音楽、現代音楽、アストルピアソラなどタンゴ、
ジャズ、即興音楽、韓国やアジアのシャーマニズムと深く関わってきている。
アジアとヨーロッパを繋ぐ「ユーラシアン・エコーズ」「オンバク・ヒタム」、
ジャン・サスポータスとのダンスシアター「私の城」などを継続中。
1994年アヴィニオンの国際コントラバス祭に招かれ、
この頃から頻繁にヨーロッパに行き、ミッシェル・ドネダ、
バール・フィリップスらと演奏を展開している。
神奈川フィルの委嘱で2つの二重協奏曲を作曲、演奏。
上智大学・早稲田大学などで講義、障害者との共演・ワークショップ。
世界各国でのコントラバス祭に招待されワークショップや演奏を行う。