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2019.11.29 , 12.1 「KANGEKI 間隙」vol.1『きえてたまるか』『席のむこう』

新しい上映のかたち
「KANGEKI 間隙」
はじまります。

心に響く自主映画の傑作があります。自主映画は制作にまつわる動機や環境も作品ごとに大きく異なるため、それぞれの魅力が豊かに浮かびあがる形も映画館での興行に限ったことではありません。多様な価値観が自主映画の世界に広がっているのであれば、その作品を上映する形や場所も増えた方がいいと考えていました。
2019年11月末より、space&cafeポレポレ坐にて定期上映会「KANGEKI 間隙」をはじめます。作品の尺や上映回数などの興行面の条件を理由に映画館では上映されにくい自主映画の中から、選りすぐりの傑作を上映。時には作り手と観客の対話を交えながら、映画とのつきあい方を増やしていくための場所づくり。形を変え、場所を変え、間隙を縫うようにして表現の風通しをよくしていくこと。こうした広がりの中から、映画の新たな呼吸も生まれてくるでしょう。
小さな場所だからこそ、できることを目指します。(ポレポレ東中野 小原治)

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「KANGEKI 間隙」記念すべきvol.1は、清水啓吾監督『きえてたまるか』、丹野幸一郎監督『席のむこう』の青春映画2本立てです。どちらの映画も、作り手たちが「共に過ごした私たちの時間」を形に残すことから生まれました。それが時を経て色褪せていくのではなく、過ぎていく時間や季節と共に映画も育まれていくような魔法に彩られています。まさに生きる傑作です。人と映画がめぐりあう喜びを、「KANGEKI 間隙」で味わっていただけたら嬉しいです。

 

「KANGEKI 間隙」vol.1
■上映作品:『きえてたまるか』『席のむこう』
■開催日時:2019年11月29日(金)、12月1日(日)18:40開場|19:00開映(20:30終了予定)
■ゲスト:清水啓吾(『きえてたまるか』監督)、丹野幸一郎(『席のむこう』監督)、杉田協士(『席のむこう』撮影)
■料金:1100円
■定員:各回30名

■予約
氏名、人数、参加日を記入し、kangekispace@gmail.comまでお知らせください。
後日、担当・小原(オハラ)より確認の返信をさせていただき、予約完了となります。
※当日券はポレポレ東中野の窓口にて、朝の開館時間(9:10)より販売となります。
※予約で満席になれば当日券の販売もございません。
電話でのお問い合わせ:03-3227-1445(ポレポレ坐)

 

『きえてたまるか』
2019年|29分
監督・脚本・撮影・編集:清水啓吾|脚本・撮影・録音:宇治田 峻|撮影・録音:北浦光記|録音:宇治田 優
出演:石川雅子、長野紀深香、武井 the Skywalker、清水啓吾
「ファーストアルバム」と書かれた一枚の自主制作CD。今の私たちの音楽が、いつか誰かに届いてくれたら…そこには誰も知らない作り手の物語があった。はみだしていく気持ち、形に残らず消えていく時間を、自主映画ならではの親密なエモーションで包み込む。
PFFアワード2019で審査員特別賞に輝き、プレゼンターの山下敦弘(映画監督)をはじめ、多くの映画人が激賞した青春映画。友人4人と後輩の曲作りを手伝っていた清水啓吾が、その思い出を残すため、曲が出来上がるまでの過程を映画で表現。彼らの物語はスクリーンではね返り、別の誰かの物語へと生まれ変わる。

 

『席のむこう』
2018年|24分
監督・脚本:丹野幸一郎|撮影:杉田協士
出演:福原直樹、池田友紀、佐藤蒼、加藤駿平、山口新奈、村上太一、猪祐輔、髙橋麻由、池田結音、紫原友美、篠崎珠美、神田美咲、土屋友加里、石川萌、星有紗、小倉芽生、曽根有希奈、渡慶次清佳、柴田暁輝、佐藤健太郎、山本隆夫、中西玲
高校生の早智は、昔好きだった進から念願のライブに誘われる。友だちから誘われたとだけ伝えられていた恋人の京太は、進から呼び出され、京太より前から早智が好きだったことを告げられる。気持ちのやり場を見つけられずにいる京太に、仲間のひとり、美波がふいに悩みを打ち明ける。
監督は高校教員の丹野幸一郎。出演は当時現役の高校生たち。撮影は同校で非常勤講師を務めていた映画監督の杉田協士。やがて離れ離れになる人たちが、それぞれの夏休みを持ち寄って共に作った24分の物語のなか、再びめぐりあう。そこに流れている宝物のような時間。かけがえのないぬくもり。

杉田協士note.『席のむこう』に寄せて
https://note.mu/kyoshisugita/n/na712b887e7a8