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2018.7.14 徹と徹の部屋vol.2(徹の部屋vol.44)

徹と徹の部屋vol.2 (徹の部屋vol.44)
■日時:2018年7月14日(土)18:30 open / 19:00 start
■会場:space&cafeポレポレ坐
■出演:岩下徹(舞踊家)、齋藤徹(コントラバス演奏・作曲)
■料金:予約2,500円、当日3,000円(ワンドリンク付)
■予約:03-3227-1405(ポレポレタイムス社)Mail:event@polepoletimes.jp
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岩下徹です。
去る4・5(木)徹と徹の部屋vol.1 (徹の部屋vol.43)@ポレポレ坐では、得難い機会を頂き、感謝に堪えません。
初めてあのスペースで踊らせて頂きましたが、60分弱の時間を私なりに全力で生きようと努めました。
果たせるかな、残念ながらそのことは決して私の意の儘にはなりませんでした。
特に、テツさんがバッハの曲を演奏された時の強さ!それは、’バッハ’の語源であると聞く「小川」のせせらぎどころか、その激流が私を押し流して仕舞ったかのよう。
トークの場でも申し上げましたが、テツさんの演奏は病を得られる前より後の方が、よりその強度と鮮明度が高まっていると、この身をもって痛く感じ入った次第です。
病気や怪我、障碍等の制約が、その人の表現を必ずしも貧しくして仕舞うのでなく、むしろそれを受け容れることによって、反ってその人の表現が豊かなものに成り得る、ということを目の当たりに致しました。
このことは、多くの方々にとりましても大きな≪希望≫となることでしょう。
私も、加齢による諸能力の低下は隠し果せる術を全く持っておりません。
が、そんなちっぽけな個人的な事情など全くお構い無く、あの場が生成したものと思われます。
途中から、ああしなくちゃ、こうしなくちゃ、などという詰まらない思考が殆ど働かなくなっておりました。
最後には、最早「私」なぞ、どうでも良くなっていたのです。
それは、自-他を超えた共-同の場、非人称的な地平のようなものが、自己創出しようとしていたからに違いありません。
これこそ、私が最も求めているものです。
如何にして、「私は私」という同語反復から逃れられるのか?
如何にして、自我(エゴ)の壁を超えられるのか?
私が10代後半の頃からの問いですが、還暦を過ぎても尚、未だ答えの出ない問い掛けの途上に在ります。
これはもう、成るようにしか成らないでしょう。
成るようにしか成らないということは、即興でも同じです。
即興と人生とは何処かで相通じている、と私は思っております。
この点に於いて、過日のような即興セッション公演を、文字通り公(おおやけ)にしてゆく意義が有るかも知れない、と・・・。
「生まれたことが即興じゃないの?」(土方巽)
然り!ならば、<いま・ここ>を活き活きと活きようとすることも即興でしょう。
一寸先は闇、これは誰にとっても同じ。
では、今をどう生きるか・・・?
即興では、そのことがいつも常に絶えず問われているのです。
次回7・14(土)も、その問い掛けがまた新たに為されるでしょう。
と、齋藤徹さんもほぼ同じようにお考えになっている、と勝手に想像致しております。
どうか、私共の 徹と徹の部屋vol.2 (徹の部屋vol.44)にお立ち会い頂きますよう。
岩下徹
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岩下徹(舞踊家)http://www.iwashitatoru.com/
国際的な舞踏集団<山海塾>ダンサー。
ソロ活動では<交感(コミュニケーション)としての即興ダンス>の可能性を追求。
1957年東京生まれ。82~85年石井満隆ダンスワークショップで即興を学び、
83年ソロ活動開始。かつて精神的危機から自分のからだを
再確認することで立ち直ったという経験を原点とするソロダンスは、
等身大のからだひとつで立つことから始まり、
場との交感から生まれる即興として踊られる。
代表作に、「放下」、「みみをすます」、音楽家との即興セッション等。
1989年より滋賀県/湖南病院(精神科)で医療の専門スタッフと
共にダンスセラピーの試みを継続実施中。日本ダンスセラピー協会顧問。
桜美林大学、滋賀県立総合保健専門学校非常勤講師。
齋藤徹(コントラバス演奏・作曲)http://travessiart.com

ダンス、舞踏、演劇、美術、映像、詩、書、邦楽、雅楽、能楽、
西洋クラシック音楽、現代音楽、アストルピアソラなどタンゴ、
ジャズ、即興音楽、韓国やアジアのシャーマニズムと深く関わってきている。
アジアとヨーロッパを繋ぐ「ユーラシアン・エコーズ」「オンバク・ヒタム」、
ジャン・サスポータスとのダンスシアター「私の城」などを継続中。
1994年アヴィニオンの国際コントラバス祭に招かれ、
この頃から頻繁にヨーロッパに行き、ミッシェル・ドネダ、
バール・フィリップスらと演奏を展開している。
神奈川フィルの委嘱で2つの二重協奏曲を作曲、演奏。
上智大学・早稲田大学などで講義、障害者との共演・ワークショップ。
世界各国でのコントラバス祭に招待されワークショップや演奏を行う。

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