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2015.5.26. 徹の部屋vol.37「もう一つのインプロビゼーション・いっぽはみだすために」

徹の部屋vol.37「もう一つのインプロビゼーション・いっぽはみだすために」
■日時:2015年5月26日(火)19:00 open / 19:30 start
■出演:ジャンサスポータス(ダンス)、ヴォルフガング・ズーフナー(チューバ)
ウテ・フェルカー(アコーディオン)、熊坂路得子(アコーディオン)
田嶋真佐雄(コントラバス)、齋藤徹(コントラバス)
■料金:予約3,000円/当日3,500円(ワンドリンク付)
■予約:03-3227-1405(ポレポレタイムス社)Email : event@polepoletimes.jp
ウテさん・ヴォルフガングさん帰国前日ですが、念願の「徹の部屋」実現出来ました。たいへんうれしいです。
ジャンさん・ウテさん・ヴォルフガングさんは昨年9月のドイツツアー(矢萩竜太郎10番勝負!ドイツ編)でご一緒しました。その時の感動が忘れられず、再会を熱望し今回に至りました。竜太郎さん(ダウン症のダンサー)を招聘してくれたのがウテさんでした。インプロの共演者ならいくらでも見つかるヨーロッパにいるのに竜太郎さんや私との共演を願っていると言う点からでもウテさんの音楽・人生・インプロへの動機が見えます。
ヴォルフガングさんはブッパタールでのジャンさんの親友です。毎日のように、御近所の彼とは愛犬スロッギーを伴い森を散歩しています。演出家として、俳優として、演奏家として様々な舞台に関わるヴォルフガングさんも「普通」のヨーロッパインプロバイザーとは一線を画します。
ポレポレ坐お馴染みのジャンさんは、ピナ・バウシュ舞踊団のゲスト・ソロダンサーとして、創立期からの知識、経験、方法を若い団員に伝えながらも独自の活動を展開中です。齋藤徹とのデュオの他にも、ドイツとフランスで自閉症や障がい者とダンスに取り組み始めています。
そして、日本から熊坂路得子(アコーディオン)田嶋真佐雄(コントラバス)が参加します。
「国民の妹」のような可愛らしいルッちゃんですが、実は彼女の音楽を成り立たせているものは巨大で制御できないものをも孕んでいるようにみえます。その得体の知れないものが彼女の身体を借りて表現しているようなのです。同じ楽器で女性のウテさんとの共演を目論みました。日独のアコーディオンの橋は、日仏のそれと全く違う形をでしょう。
「倍音の森」の田嶋真佐雄さんのこの頃の活躍には目を見張ります。ベースアンサンブル弦311のメンバーとして一緒にISB(国際ベーシスト協会)のコンヴェンションに出演したころから音楽も人間も急に大きく開き、みるみる成長してきました。お子さんの誕生も良い影響を与えているでしょう。今回のメンバーでどのように演奏するのか本当に楽しみです。
インプロか作品かは対立項ではありません。インプロの対義語は作曲ではないのです。インプロの対義語は「常識」であり、さらにいえば「自分自身」なのです。そんなことを体感できるセッションになるでしょう。
「あたりまえのこと」から一歩はみだすことから様々なものが見えてきます。「きれい」が「うつくしさ」にかわる驚きと発見です。そんな体験を是非みなさまとポレポレ坐にてご一緒に共有したいと熱望しております。    
             Travessia 齋藤徹
(注)「いっぽ はみだすために」は渡辺洋さんの最後の詩集「最後の恋」(書肆山田)の最後の詩より拝借しました。
ふりかえるまなざし
いっぽ ふみだすことや はみだすことで
うつくしさは はじまる
ゆたかさや じょうほうに おぼれて
たゆたっている きれいさが
うつくしさに かわるのは そのとき
いまが そのとき
ねばりづよく