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2010.4.9~10 徹の部屋Vol.7 画×詩×演奏×ダンス『ミモザの舟に乗って』

徹の部屋Vol.7 『ミモザの舟に乗って』
小林裕児(画)×乾千恵(詩)×黒田京子(ピアノ)×齋藤徹(コントラバス)
×ジャンサスポータス(ダンス)×笠松環(9日朗読)×米澤美和子(10日朗読)

一枚の絵画から、いくつもの音楽が生まれ、追悼の詩が躍りだした。
太古の時代から現在にいたる、めくるめく生々流転の曼荼羅。
点滅するあなたと私の記憶/物語が息を吹き返し、
音となり、言葉となり、踊りとなって、今、ここで幻響する。

■日時:2010年4月9日(金) 、10日(土)19時開場/19時30分開演
■料金:一般予約3,500円/当日4,000円 ワンドリンク付き
    学生予約2,500円/当日3,000円 ワンドリンク付き 学生証提示
■予約:03-3227-1405(ポレポレタイムス社)
       event@polepoletimes.jp

■主催:Space&Cafeポレポレ坐、
    グループ<橋>(齋藤徹、小林裕児、斎藤朋)
■助成 : EU・ジャパンフェスト日本委員会
■協力:玉木康晃、玉木千裕、長野由利子
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「ミモザの舟に乗って」             …齋藤徹
我が敬愛する「妹」乾千恵さんのまわりに広がる輪(千恵の輪)は
日々拡がっていきます。ひとりひとりを結ぶ糸が曼荼羅のように連なって、
こんがらがって、いくつもの出会いが起こります。
偶然のように見えますが、実は、必然だったりして。
輪は、いつの間にか日本を軽々と越えて、南米に、ヨーロッパに、
東南アジアにもどんどん拡がっています。
そして、それぞれの出会いがプチプチと発酵するように、
いつも新たな展開を予見させます。そして決して急ぎません。
ポレポレ、プーランプーラン(ゆっくりゆっくり)なのです。
日常生活で私たちは、早く結果を欲しがったり、得をしたい、
損をしたくないと焦ったり、いつもいつも急ぎがちです。
「ちょっと待てよ」ということを忘れています。
絵や詩や音楽や踊りが、そして人との出会いが「ストップ!」
役を担わなければと思います。自分のことは自分の目では見えないので、
何かしらの「鏡」が必要です。流されていく時に、岸辺にキラッと見えたもの、
あれは何だったのだろう?多くの人がふと思い出し遠い目になります。
2 年前、小林裕児さんの大きな絵「朱い場所」のために曲を書きました
(CD『朱い場所』)。その絵にはいくつもいくつもの物語が紡がれていました。
その時すでに、ジャンさんに踊ってもらいたいな、
千恵さんに何らかのかたちで参加してもらいたいな、
と思って曲を書いていました。
ある時、千恵さんは詩「ミモザの舟に乗って」を書いて送ってくれました。
大切な友人との別れをつづったその詩は心に突き刺さりました。
ジャンさんは完成前のこの絵を裕児さんのアトリエで見ています。
その時、この世に存在していなかったジャンさんの息子ナエル君も今日、
みんなを見守っています。
初演のギャラリー椿以来、久しぶりにこの絵と再会します。
絵の中の人たち、モノたち、ミモザは、どんな日々を過ごし、
どう変わったのか楽しみです。
会えるときには会えるし、出来るときには出来る。
と千恵さんはよく言います。
「時」という意味には、「ちょうど良い時」という意味があると言います。
時の采配に任せるという極意、欲に駆られていては決して出来ません。
そう、今回集まった演者もスタッフも、ご来場のお客様もまったく同様、
ごく自然に、いるべくしてここにいるのですね。
「今・ここ」で会えている奇跡=軌跡を大事に刻印したいと思います。
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○音楽:齋藤徹作曲「水無川」「蓮と事情」「金羊毛とミモザ」
「青髭マントラ」「マラケシュ」「舟唄」「タフタのハバネラ」
「旋回の効用」「山羊のジュンバ」ほか
○画:小林裕児(朱い場所:2008年、テンペラ・油彩、273×350cm)
○詩:乾千恵「ミモザの舟にのって」
<ジャン・サスポータス> ダンス
カサブランカ生まれ。マルセイユで数学・物理・哲学を学ぶ。’75年パリでモダンダンスを始め、’79年ピナ・バウシュ舞踊団のソロ・ダンサーとなる。世界中の劇場で踊り続け、ピナの代表作「カフェ・ミュラー」は以来30年間300回を超える。ペドロ・アルモドバル監督「トークトゥーハー」(アカデミー脚本賞)の冒頭で使われ、「世界で一番哀しい顔の男」と評される。現在は自らのダンスグループ「カフェ・アダダンスシアター」を結成、俳優、オペラ演出、振付家、ワークショップなどで活躍している。合気道から派生した「気の道」をマスター。日本文化全般に造詣が深い。
http://www.jsasportes.com
<齋藤徹> コントラバス/作曲
東京都生まれ。舞踊・演劇・美術・映像・詩・書・邦楽・雅楽・能楽・西洋クラシック音楽・現代音楽・タンゴ・ジャズ・ヨーロッパ即興・韓国の文化・アジアのシャーマニズム様々なジャンルと積極的に交流。ヨーロッパ、アジア、南北アメリカで演奏・CD制作。コントラバスの国際フェスティバルにも数多く参加。新たなコントラバス音楽のための作曲・演奏・ワークショップを行う。 自主レーベルTravessia主宰。
http://web.mac.com/travessia115
<黒田京子> ピアノ
東京都生まれ。’80年代後半、自ら主宰したワークショップ「オルト」では、ブレヒト・ソングを素材に、ジャズだけでなく、演劇やエレクトロニクスの音楽家たちと脱ジャンル的な場作りを行う。’90年以降、坂田明(as)などのバンドメンバーや、演劇や朗読の音楽を長期に渡って務める他、無声映画への音楽提供、ジャズ講座の講師を担当するなど、その活動の幅は広い。’00年には「オルトペラ・アンサンブル」による音楽劇の公演を行う。’04年からは太田惠資(vl)と翠川敬基(cello)とのピアノ・トリオの活動を始め、近年は即興演奏を主体とした演奏活動を行っている。’06年、オルト・ミュージックを立ち上げ、コンサートの企画も手掛ける。
http://www.ortopera.com
<小林裕児> 画
東京都生まれ。東京芸術大学油絵科、同大学院修士課程修了。’84年春陽展新人賞、’87年第64回春陽展賞受賞、89年、それまでの精緻な技法の作風を捨て、古樹やアジア原産の素材に直接ドローイングするような大胆でプリミティブな手法に転換。’96年第39回安井賞受賞。画家としての評価を不動のものとする。齋藤徹、ジャン・サスポータスとは、岩下徹、ミッシェル・ドネダ、上村なおか、バール・フィリップスらをゲストにして、ギャラリー椿・NHK BS放送・東急文化村・岡本太郎美術館・中ノ沢美術館・ツアーで山口・広島・京都・山形・岩手などで共演を重ねている。
http://www.yuji-kobayashi.com
<乾千恵> 詩
大阪府生まれ。’90年銀座で初書展。各地の図書館、お寺、学校、美術館、野外などで書展と語りの会を開く。エッセイ・旅行記・絵本などを執筆。著書に「雲きれて陽のひかり」(雄飛企画)「風といるひと、樹のそばのひと」(野草社)「もじと絵」(絵・黒田征太郎 アートン)「月・人・石」(文・谷川俊太郎・写真・川島敏生 福音館書店)「乾千恵の画文集 7つのピアソラ」(岩波書店)「山からきたふたご スマントリとスコスロノ」(再話・乾千恵 絵・早川純子 監修・松本亮 福音館書店)
<笠松環> 朗読(9日)
`99年 円演劇研究所卒業。その後舞台活動を続けてきたが、ここ数年は映像に首を突っ込んでいる。
<米澤美和子> 朗読(10日)
`81年 劇団「岸田事務所+楽天団」在籍。
`95年以降はフリーとなり、映画、舞台に多数出演。
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